―プロローグ―

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「加藤さん、お疲れ様」 「お疲れ様でした」 私は店長に挨拶を返し、足早に店を出た。 吐く息は白く、12月になったことがより一層実感させられる。 そして、バイト前は降っていなかった雪が、コンクリートの地面を覆っていた。 私はしきりに両手をさすり、息を吹きかける。 現在の時刻は22時をまわっており、よりその寒さに拍車がかかる。 朝が快晴だったため、マフラーも手袋も家に置いてきてしまっていた。 しっかり天気予報見とけばよかった……。 そう思ったが、今日は寝坊をしてしまったため、そんな余裕はなかった。
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