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『これ以上、ね負担かけられないんですよ‥』
彼女の両親はいい人達だったが、幼い頃に交通事故で亡くしてしまい、親戚に引き取られたはいいが、病気のせいで結局たらい回しにされたらしい。
そして最後に拾ってくれたのは、親戚でも何でもない近所の老夫婦だった。
夫婦は両親のようにとてもよくしてくれたが、近所からの風当たりは厳しかった。
病気の症状を抑えるのに高い薬を買わなければいけない上、ひどい時は外にも出られないので仕事にいけない。
いつしか近所で私は"金食い虫"と呼ばれていた。
正直どうでも良かった。
しかし許せないのはよくしてくれたおじいさん、おばあさんを"偽善者夫婦"呼ばわりした事。
もうこれ以上こんないい人達に迷惑はかけられない。
置き手紙を書き、飛び出してきたそうだ。
俺も黙って聞いた。
彼女の境遇に俺が介入していいわけはなかった。
それでも彼女が話し終えた時、俺は喋り出していた。
『あなたはそのお世話になった夫婦に死に姿を見せたいんですか?』
彼女の表情が変わった。
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