3人が本棚に入れています
本棚に追加
彼女は少し落ち着いた声で、
『じゃあどうしたらいいんですか…』
と言った。
『あなたは生きるべきだ。あなたを必要としている人がいる限り、その人達を裏切っちゃいけない。精一杯生きて、報いるべきですよ。…勝手な事言ってすいません。』
『いえ…会社員さんの言うとおりですよね。私は自分の命を軽視し過ぎてました…こんな事したっておじいさんもおばあさんも喜ばないですよね‥悲しいですよね‥』
涙を流しながら彼女はそう言った。
分かってくれた。
人助けなんてものじゃないが、少なくとも生きるべき人を巻き込ませずには済んだ。
良かった。
このままという訳にはいかないので、彼女が落ち着いたところで、
『よければ、送って行きますよ』
と切り出した。
彼女は少しはにかんで『すみません』と言った。
『‥それでどうするんですか?』
『‥え?』
いきなりの問いかけに俺は少し戸惑った。
最初のコメントを投稿しよう!