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イングランド某刑務所。
コツコツと鉄製の廊下に複数の革靴の足音が響く。三人の看守が俺の牢屋の前で立ち止まり、その一人が威嚇するかのように言う。
「№0007.面会だ」
No.0007は俺のここでの呼び名である。0がもう一つなければあの有名なスパイと同じだったのにな、と思ったこともあった。
冷たい鉄の棒の間に両手が少し余裕のできる程度の隙間に両手を出し手錠をかけられると、ガチャリ、という音と同時に独房の扉が開かれた。
何故か目隠しをされ連れて行かれる。
俺は裸足のため、ペタペタと冷たい廊下を歩いていく。廊下は鉄製で太陽の届かないこの場所はとても冷たい。それに静かだ。
目が見えないと音がよく聞こえるが、今は俺の足音と看守の革靴の音しか聞こえない。
足音が止み、扉の開く音が聞こえ再び足音がする。
「座れ」
目隠しされたまま無理矢理座らされる。
「やあ、ネオ・セイフィア君だね」
どっかのお偉いさんのような低い貫禄のある落ち着いた声色だ。
「ああ、そうだ。あんたは?」
「君に質問する権利はない。ただ私の質問を聞き、その回答を言うだけでいい」
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