第0部~Prologue~

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 ああ、どっかのお偉いさんのようじゃなくて、本当に偉い人なのか。見えないが態度と言動で大概は感覚で分かる。 「君にはもう一度戦争に出てもらう。その戦争で生きて帰って来られたら一生涯を保証し全てにおいて優遇しよう」  これは質問ではないじゃないか。こいつは俺が戦争に出る前提で話している、もはや強制だ。  それに生きて帰れたら一生涯の保障、全てに優遇だと? そういう条件が出る時は生きて帰られないということでもある。  それに俺は誰も殺したくないし、殺すところ殺される場面を見たくはない。 「残念だが、俺は戦争に出る気はない。その戦争のおかげで俺はここに収容されているのだからな」 「ふむ、そうか。ならば彼女に代わりに出てもらうことにするかな。なんて名前だったかな? 毎日面会に来ているが帰らされているあの彼女の名前は・・・」 「お前、アリシアに何をした!!?」  椅子から立ち上がり声のする方向に突っ込もうとするが看守に抑えられ椅子に再び座らされた。  顔はみえないが話し相手はにやけながら俺の弱みにつけいってくるのが容易に想像できる。
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