一話

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家を出て数キロの地点で、幼なじみの豊華がいた。 「遅いぞ光」 「遅いってまだそんなに時間経ってねぇだろ」 「そうか?まぁいいとにかく行くぞ」 「へいへい」 再び歩き出す光と豊華、だが二人は黙ったまま何も喋らない。 (い、いかん…な、何か話題、話題を出さねば) 豊華は何を話そうか色々考え、迷った。 「あ、そういやさ」 「な、なんだ」 ふいに声を掛けられ少し焦る豊華。 「豊華早く返せよ俺のラノベ」 「…へ?」 突然の事ですこし混乱する豊華。 「へ、じゃないだろうこの前かしたラノベ早く返せよ」 「ラノベ…ラノベ…あ、あああの本か」 学校の鞄を開け鞄のなかに手を入れ、ラノベを探し始める。 「あ、あれ…おかしい…確かに鞄の中に入れたのに…」 必死に探す豊華を見て光は、はぁと心の中でため息をして。 「あ~いいよまたで」 「し、しかし」 「いいって返す気があるならいつでも」 「…すまない」 すこししょんぼりする豊華。 「なぁ光…怒るかもしれないが聞いてくれないか?」 少し真剣な声で光に質問をする豊華。 「なんだよ」 少し面倒だけど豊華の話を聞こうとする光。 だが一向に質問をしようとはしない豊華、そしてまた沈黙し始めた時。 「…な、なんでアニメとかラノベとかに興味がわいたんだ?」 豊華は思いっきって聞いてみる、何故ならいつも気になっていたからだ。 「改めて聞かれると困るな…」 「いや真剣に悩まなくていいぞ?」 「そうか?まぁそうだな、面白いから…かな」 「そ、そうか面白いか…まぁラノベは確かに面白いな」 「…」 少し驚いた顔で光は豊華を見た。 「な、なんだその顔は!」 「いや別に~」 「別にとはなんだ別にとは!失礼な奴だ」 「あ~悪かった謝る、謝るから許してくれよ」 「いいや許さんこうなったら今度お前の部屋にあるアニメグッズを…」 「それだけは勘弁してくれ~」 「いいやダメだ、オタクなど一番なってはいけない人種だぞ、光お前はわかっているのか!」 豊華は興奮しているのか、道の真ん中で段々光に説教を始める。 「あの~豊華さん、学校に早く…」 「こら、逃げるなまだ話は終わっていない」 「は、はい」 そして道の真ん中で説教がはじまり、その説教は30分以上続いたのであった。
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