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家を出て数キロの地点で、幼なじみの豊華がいた。
「遅いぞ光」
「遅いってまだそんなに時間経ってねぇだろ」
「そうか?まぁいいとにかく行くぞ」
「へいへい」
再び歩き出す光と豊華、だが二人は黙ったまま何も喋らない。
(い、いかん…な、何か話題、話題を出さねば)
豊華は何を話そうか色々考え、迷った。
「あ、そういやさ」
「な、なんだ」
ふいに声を掛けられ少し焦る豊華。
「豊華早く返せよ俺のラノベ」
「…へ?」
突然の事ですこし混乱する豊華。
「へ、じゃないだろうこの前かしたラノベ早く返せよ」
「ラノベ…ラノベ…あ、あああの本か」
学校の鞄を開け鞄のなかに手を入れ、ラノベを探し始める。
「あ、あれ…おかしい…確かに鞄の中に入れたのに…」
必死に探す豊華を見て光は、はぁと心の中でため息をして。
「あ~いいよまたで」
「し、しかし」
「いいって返す気があるならいつでも」
「…すまない」
すこししょんぼりする豊華。
「なぁ光…怒るかもしれないが聞いてくれないか?」
少し真剣な声で光に質問をする豊華。
「なんだよ」
少し面倒だけど豊華の話を聞こうとする光。
だが一向に質問をしようとはしない豊華、そしてまた沈黙し始めた時。
「…な、なんでアニメとかラノベとかに興味がわいたんだ?」
豊華は思いっきって聞いてみる、何故ならいつも気になっていたからだ。
「改めて聞かれると困るな…」
「いや真剣に悩まなくていいぞ?」
「そうか?まぁそうだな、面白いから…かな」
「そ、そうか面白いか…まぁラノベは確かに面白いな」
「…」
少し驚いた顔で光は豊華を見た。
「な、なんだその顔は!」
「いや別に~」
「別にとはなんだ別にとは!失礼な奴だ」
「あ~悪かった謝る、謝るから許してくれよ」
「いいや許さんこうなったら今度お前の部屋にあるアニメグッズを…」
「それだけは勘弁してくれ~」
「いいやダメだ、オタクなど一番なってはいけない人種だぞ、光お前はわかっているのか!」
豊華は興奮しているのか、道の真ん中で段々光に説教を始める。
「あの~豊華さん、学校に早く…」
「こら、逃げるなまだ話は終わっていない」
「は、はい」
そして道の真ん中で説教がはじまり、その説教は30分以上続いたのであった。
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