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「ふーん。そう」
ぱたん。
後ろ手でノートパソコンを閉じ、梯子を降りてくる彼。
同じ高さに立ってみると、思ったよりも小柄……嘉と同じ、170センチくらいだろうか。
「僕は君に興味はないよ」
「あっても困るなぁ」
そう返した嘉を一瞥するなり背中を向け、彼は階段を下りていった。
「思った以上にガードが固かっ……ん?」
リノリウムの上にぽつんとあるそれは――
「嘉」
「ん?」
嘉と同じく、模試を受けていた同級生に呼び止められ、ペンケースを鞄に入れていた手を止めた。
「この模試、大丈夫だと思うか?」
「お前よりは」
「いやそうじゃなくて!お前なら知ってんだろ?」
そこまで言ってから声を潜め、ゆっくりと言った。
「不正行為の続発、だよ」
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