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「しーっ!!!はっきりとはわからないんだけど…なんか、金髪で上下黒い服に、スラッとした体型だって…」 「ちょっと待って、由香! それくらいの人物像ならどこにでもいるってば! 早とちりは悪いよ、あの人に」 「そうなんだけど…、なんかピタッとはまる気がしてさ。 そうだよね!今どきの男はみんなそんな感じだよね?」 「そうそう!いくら知らない人でも悪いって」 「知らない…か。 ねぇ、あれからは現れてないの?」 「うん、人違いに気づいたんじゃない?」 「それならいいんだけどね。 でもさ、帰りは一緒に帰ろうよ、途中まででもさ」 「そうだね、犯人がつかまるまでは気味悪いしね」 授業の始まりのベルが鳴った。 爽やかな風が吹き抜ける校庭。 校門の壁にもたれて、タバコに火をつける人影。 足元にまとわりつく、小犬。 唇に光る銀のピアス。 くゆらす煙の向こうの空を見る眼差しは、揺るがない何かをとらえていた。
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