始まり

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「どっ、どうして…?やめろっ!うっ!うわぁぁぁぁっ!!!」 バキッ!ドサッ!!!! もみあっていた人影がほどけた。 一人が、鈍い音とともに倒れる。 頭のあたりからじわじわと流れ出る、多分、血。 「…うっ…」 指先が動いた。 流れ出る血 地面をなぞるように。 生暖かい春の風は、立ち上ったばかりの血生臭さをまとい あたりを包んでそよいでいく。 ガツン!と重い物が落ちたあと、もうひとつの影も倒れた。 丸い月は黒い雲に覆われ あたりは静寂に包まれ、静かに夜が更けていく。
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