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大体 人が集まってくるのは学校が近くなってからだ。
それまでを ほとんどの時間 愛ちゃんと二人で過ごさなければならない。
そんな事を思っている矢先だった―。
歩いている二人の真横を 勢い良く車が追い抜いた。
と、思った瞬間
運転席から男が降りてきた。
マスクにサングラス。
そして、黒いキャップを深々と被り 『いかにも』という男は、うつむき加減で2人に走り寄った。
「――え?」
と、霞美の声が出るか出ないか位で 男は霞美を抱き抱えた。
一瞬 何が起きたのかわからなかった。
「――!!」
それを見た愛はとっさに
霞美に手を伸ばした。
「愛ちゃんっっ!」
霞美も必死に愛に手を伸ばした。
愛は霞美の手を握り男から引き離そうとするが、到底 小学生の力では 男に適わない。
男は構わずズルズルと二人を車に連れ込んだ。
「たすけ―――」
愛が口を開こうとしたが すかさず口を押さえ付けた。
そして、二人を車の後ろに入れ 2人の手を後ろでまとめて4本縛り付けた。
そのまま頭から黒い布で顔を覆うと また 勢い良く車を走らせた。
ほんの 数分の出来事だった――――――――。
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