~監禁~

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男はガチャガチャと 何か物音を立てて 霞美と愛の足を拘束した。 そこで、初めて 覆い被せられた布を取られた。 縛れた腕の紐も解かれ 男は2人のランドセルを下ろした。 「…………………。」 愛は息を呑んだ。 霞美は 声も出せないまま 辺りを一面見渡した。 とても広い……倉庫と呼んでいいのだろうか? コンクリートで打ち付けられた 壁は粗末に電気配線や柱は剥き出し、所々破壊されているところを見ると しばらく使われていないようだった。 そんなに何時間も走ってきていないようだったのに………………。 近くにこんなところがあったなんて…。 ふと、足元を見ると 柱と鎖で片足を拘束され、自分たちの後ろには質素なベットが一台…。 目の前には、気を使ってか小さな電気ヒーターが置いてあったが 到底この広さには適していない。 少し離れたところに粗末な机と椅子…。 男が使うための物だろう。 男はまだ マスクもサングラスも取っていないので どんな人物なのかは わからない。 どうするとこも出来ず、霞美も愛も暫く呆然と立ち尽くした。
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