10人が本棚に入れています
本棚に追加
声を出せないままでいると
帽子だけを取り、机の上に置くと 無言で男は 倉庫を出た―。
―――――――愛と二人きにりなった。
「……ど…どぅなっちゃうの?
なんなの?
なに?何が起きてるの…?」
愛はその場に座り込み 泣き始めた。
小さく蹲り 今、自分たちに起きている事は現実なんかじゃないと、そういい聞かせているようにも聞こえた。
そうして、自分の精神状態をなんとか保とうと…
そう見えて仕方がなかった。
―――バタン!
「…はぁはぁ……一人……一人しか誘拐しないはずだった…」
男は勢い良く車のドアを閉めると 震え始めた。
「…ぃ…や、一人なら 二人も同じか……ははは…」
誘拐したこっちも、なんとか自分を押さえようとした。
「初めから……、初めからあいつも、計算に入っていたさ……こうなることは!」
ハンドルに顔を埋め 震える手を強く握り 冷静になれる言い訳を探した。
「……………大丈夫…………大丈夫だ…………あいつの言う通りに計画を進めれば………。
まだ、これからだ………俺がしっかりしないでどぉする??」
最初のコメントを投稿しよう!