~監禁~

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声を出せないままでいると 帽子だけを取り、机の上に置くと 無言で男は 倉庫を出た―。 ―――――――愛と二人きにりなった。 「……ど…どぅなっちゃうの? なんなの? なに?何が起きてるの…?」 愛はその場に座り込み 泣き始めた。 小さく蹲り 今、自分たちに起きている事は現実なんかじゃないと、そういい聞かせているようにも聞こえた。 そうして、自分の精神状態をなんとか保とうと… そう見えて仕方がなかった。 ―――バタン! 「…はぁはぁ……一人……一人しか誘拐しないはずだった…」 男は勢い良く車のドアを閉めると 震え始めた。 「…ぃ…や、一人なら 二人も同じか……ははは…」 誘拐したこっちも、なんとか自分を押さえようとした。 「初めから……、初めからあいつも、計算に入っていたさ……こうなることは!」 ハンドルに顔を埋め 震える手を強く握り 冷静になれる言い訳を探した。 「……………大丈夫…………大丈夫だ…………あいつの言う通りに計画を進めれば………。 まだ、これからだ………俺がしっかりしないでどぉする??」
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