10人が本棚に入れています
本棚に追加
「………………霞美ちゃん…」
ある程度泣いて 我に返ったのか 愛は涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔を上げた。
「……なに?」
霞美も立ち尽くしたままだったが ゆっくり愛を見た。
「………もぅ、授業始まったよね? 私達が居ないこと………先生もみんなも気付いたよね………お母さんにも……………連絡……………行くよねぇ……?……うぅ…」
喋り終わらないのに また涙が出てきた。
霞美は静かに
「……そうだね」
愛を慰めた。
「ぅぅぅ……ごめんね、霞美ちゃん。私がこんなだから………霞美ちゃんも泣きたいのにね……。」
愛は自分が泣いていることで 霞美がしっかりしなきゃと思ってると思い 泣き止もうとしたが、不安で不安で涙が溢れてくる。
――――霞美ちゃんは強い!
心でそう思い 自分の思うままに泣いた。
霞美は――――――
未だ動けず、ただ、呆然と立ち尽くしたままだった。
「…え?じゃぁ、井上さんも橘さんもまだ?」
五年一組のクラスから先生の声が響いた。
霞美のクラスでは 朝のホームルームが始まり、出席を取っていたが 2人揃って来て居ないことに気付く。
最初のコメントを投稿しよう!