再会

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「いい?その顔に女子が色めき立つけど、相手にしちゃだめよ」 そんなセリフを残して、教室のドアを開けた山城先生に続いて、教室に入った。 女子の反応は、様々だ。 俺を見て頬を染めるヤツ。 歓声を上げて周りの友達と話すヤツ。 そして、一人、本を読んで無関心のヤツと、また一人、外を見て俺を見ていないヤツ。 自己紹介をするように山城先生に言われ、そんな生徒たちの反応を楽しみながら、教壇に立った。 「朝礼でも挨拶しましたが、松浦秀也です。短い間ですが、よろしくお願いします。因みに、ここは、俺の母校。ここの教室には、俺の好きだった先輩がいた―――」 バコッと出席簿で頭を叩かれて、自己紹介が強制終了された。 山城先生の呆れたと言わん溜め息は、聞かなかったことにして、続いて出席をとる先生と生徒の顔を照らし合わせ覚えていく。
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