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「でね、お兄ちゃんと一緒の高校に行こうって決めたの」
「俺と?」
「うん。学校に入って、先生に聞けばわかるかなって。だって、お兄ちゃん、イケメン過ぎだから」
たったそれだけの理由で、山上高校に入ろうなんて……。
「で、わかったの?俺の事」
「うん。二年になって、山城先生がね、教えてくれた。いろいろと」
「いろいろ?」
眉間にシワがより、顔が険しくなっていく。
あの山城先生だ。絶対に、ろくなこと言わない。
「うん。当時、すごくモテてたこととか、女の子を泣かす天才だったとか。あ、後、桜井先生の彼女に手を出したとか」
クスクスとおかしそうに笑う彼女がかわいいと感じたのは、この際スルーしよう。
あの馬鹿教師め!!
文句言いたいが、単位があるし……。
クソッと、舌打ちをした。
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