理由

6/12

1397人が本棚に入れています
本棚に追加
/98ページ
「でね、お兄ちゃんと一緒の高校に行こうって決めたの」 「俺と?」 「うん。学校に入って、先生に聞けばわかるかなって。だって、お兄ちゃん、イケメン過ぎだから」 たったそれだけの理由で、山上高校に入ろうなんて……。 「で、わかったの?俺の事」 「うん。二年になって、山城先生がね、教えてくれた。いろいろと」 「いろいろ?」 眉間にシワがより、顔が険しくなっていく。 あの山城先生だ。絶対に、ろくなこと言わない。 「うん。当時、すごくモテてたこととか、女の子を泣かす天才だったとか。あ、後、桜井先生の彼女に手を出したとか」 クスクスとおかしそうに笑う彼女がかわいいと感じたのは、この際スルーしよう。 あの馬鹿教師め!! 文句言いたいが、単位があるし……。 クソッと、舌打ちをした。
/98ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1397人が本棚に入れています
本棚に追加