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「あ……ごめんなさい。そうですよね。お兄ちゃんモテてたから、そうなっちゃいますよね」
ったく。山城先生は、純粋な彼女に何を言うか!
抗議……出来ない。単位もらうまでは、出来ない。
だったら、俺は、自分で彼女を元気づけるしかない。
「あのね、春香ちゃん。俺も同じ」
「え!?」
「うん。俺も、春香ちゃんにここで会ったから、教師になろうと思った」
キョトンとして、首を傾げた彼女は、理解出来ないという顔をした。
「俺、春香ちゃんの話を聞いているうちに、子供が好きだと気づいた」
「子供好きが出来る仕事は、たくさんあるけれど、桜井先生を越えたいと思った。だから、教師になろうと思った」
俯いてしまっていた顔を上げ、パァと目を輝かせた彼女。
「子供好きなら、小学生までじゃ……」
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