約束

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「春香ちゃん、一つ、聞いてもいい?」 「はい」 「学校で、なぜ外を見ていたの?笑わないのはなぜ?」 「一つじゃないよ、それ。二つじゃん」 クスクスと笑いながら、境内から、先程のベンチまで戻ってきた彼女は、境内に視線を移して、ゆっくりと話し出した。 「嘘なんです」 「えっ!?」 「本当は、朝の実習生の挨拶で気づいていたんです」 「あぁ、俺のこと?」 「はい。皆に騒がれているお兄ちゃんが嫌で、見ないようにしていたんです。あの時、笑ってなかったのも同じです。皆と笑っているお兄ちゃん見たくないから」 「…………」 「わけわかりませんよね」 いや。わかってしまった。 それって、ヤキモチだよ。 「あ、でも……私、学校であまり笑いませんよ。もともと、お兄ちゃんの前だけだったかな?」 「嘘だろ?」
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