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やっぱり。
春香ちゃんから聞いていたのか。
ガクッとうなだれた俺を楽しそうにケラケラと笑ってのけた山城先生は、いきなり、俺の肩をバシッと叩いてきた。
「……ってェ。先生、爪、痛い…ですよ」
痛いっスと言いかけた言葉を飲み込み、睨みつけてやった。
「秀也くんも、高校生だったのねと感動したのよ」
「はあ」
ため息しか出てこない。
「彼女に秀也くんの家教えようかって言ったらなんて言ったと思う?」
「…………」
「先生が、守秘義務破ったらダメだって!それに、神様が教えてくれた運命の相手だから自分で捜しますって言ってたわよ」
マジで!?
ヤバい。暴れる心臓が、俺をニヤつかせる。
先生のことを心配している彼女。
俺を運命の相手と言った彼女。
その彼女が、先生と話しをしている様子が目に浮かぶ。
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