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「透析じゃダメと言うことですか?」
「詳しくは、私にもご両親は教えてくれないのよ。ただ、週に三回、夜間に透析してるわ。学校があるから、日中出来ないし、体はきついかもね」
「…………」
「そんなに心配なら、本人から聞けばいいじゃないの、お兄ちゃん」
「いい加減、からかうのやめて下さい。彼女、俺には、透析してるから、前みたいに入院しないって言っただけなんです」
「そッ。じゃあ、後は、自分で動くことね。ただし、こっちの仕事、おろそかにしたら、単位あげないから」
山城先生は、右手をあげて鞄に資料をつめ、早々に帰宅した。
今日は、デートと、昔の先生を思い出すメイクに変えて。
残された俺は、先生に出された課題をチェックしながら、授業の組み立てを考えていた。
だが、気になり、一向にはかどらない。
俺は、乱雑に鞄に資料を突っ込むと、公園に向かった。
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