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実習に行って数日。
彼女は、とてもわかりやすかった。
透析は、彼女にとって、辛く、疲れるらしく、翌日は、遅刻してきたり、授業中寝ていたり、保健室のお世話になることもある。
その度に、ドキドキハラハラする俺を、山城先生がからかうのも、日課となった。
そんなある日、彼女の両親が血相を変えて学校にやってきた。
近年、モンスターペアレントという言葉もあるほど、学校は、保護者に気を遣っている。
当然、彼女のご両親にも気を遣う。
「最近、帰りが遅くなっていますが、何か、娘にやらせてますか?」
そう詰め寄られた山城先生と校長。
勿論、そのようなことはなく、彼女の両親は、ため息をついた。
そして、学校の行き帰りにも責任を持てと理不尽なことを求める。
その最中、山城先生の目が、俺に向いた。
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