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「春香ちゃん!」
全速力で走った俺は、公園の入り口から、大声で叫んだ。
「あれ!?先生、どうしたの?ここに来るのは、実習が終わったらじゃなかった?」
キョトンと首を傾げた春香ちゃんに、俺は、安堵のため息を漏らすと共に、勢い余って、抱きしめに走った。
「……え?」
汗まみれの俺が臭いだとか、こんなに息切れしてカッコ悪いとか、そういうのすら考えずに、抱き着いた。
「心配させるなよ」
この心臓の音は、走ったせいもあるけれど、春香ちゃんが一人でいて、貧血で倒れていたらとか、良からぬことを勝手に想像したせい。
自分の速く打ち付ける心臓の音を聞きながら、全く余裕のないことに驚愕した。
とにかく、心配し過ぎで、これじゃ、ご両親の過保護と変わらない。
「ご両親が、学校に来たぞ。帰りが遅いと心配していた」
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