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そんな俺をごまかす為に、ご両親の話しをしたことで、彼女は、何かに気がついたらしく、バッと体を離して、俺と距離をとった。
「ごめんなさい。私――」
「言って来なかったの?」
彼女に、余計な気を俺に対して使って欲しくなくて、遮るように質問した。
「ここは、私の自然体で居られる大事な場所だから」
“大事な場所”。
彼女にとって、息抜きが出来る場所だよな、きっと。
俺にとっても、君と出会えた“大事な場所”だけど。
「そうだよな。けど、学校に来るほど慌てていた。せめて、携帯くらい繋がるようにしておけよ」
「あっ!本当だ。電源入れるの忘れてた」
そそっかしいのか天然なのかわからないが、かわいい。
いまどき、学校で授業だからと、生徒手帳に書いてある校則通り、電源を落とす奴など、いない。
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