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「彼女は、幼かったですが、素敵な笑顔を持っていました。それはもう、天使の微笑みに俺には見えました」
「要点をさっさと言え」
俺の話を全て聞いたら、お父さんは、丸め込まれると思ったのか、牽制してきた。
だが、俺も、今更、変更はきかない。
「もう少し聞いて下さい。それからすぐ彼女は、入院したらしく俺の前に現れませんでした。実習生として、再会するまで」
「…………」
「再会した彼女の顔からは、弾けるような笑顔が消えていて、理由が知りたくて話かけました」
「…………」
「ご両親は知っていましたか?お二人に心配かけないように遠慮して生活していた彼女を。イジメられても何も言わずに耐えていた彼女を。」
俺の言葉を聞いた直後、ご両親が顔を見合わせ、硬直している。
それを見る限り、俺は、知らなかったと判断を下し、話を続けた。
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