1397人が本棚に入れています
本棚に追加
「春香。あなたには、いろいろ制約してきたけれど、体のこと以外は、もう私達に遠慮することないわ」
そうお母さんに言われて嬉しそうに微笑んだ彼女。
「そうね。あなたのその笑顔、久しぶりに見たわ。娘を、よろしくお願いします」
お母さんは、彼女によく似た笑顔で俺に頭を下げた。
「こちらこそ。春香ちゃん、よろしく」
こうして、俺は、先の約束を取り付けた。
きちんと付き合うには、まだ障害が多いけど、その時まで、気持ちが変わらないことを、誓おう。
「春香ちゃん、自信持って!俺には、君だけだから」
いろんなことを諦めたせいで、腎臓病という病のせいで、そのことが、コンプレックスのようになっていた彼女。
真っすぐ立っていて大丈夫だから。
俺が、歩調を合わせて、その手を取って歩むから。
最初のコメントを投稿しよう!