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実習生という短い期間を今日で終える。
山城先生は、俺に、最大の単位をくれたようなもの。
里山春香という愛しい彼女。
「まさか、秀也くんが、桜井先生の後を歩くとはね。お兄ちゃん、やるじゃない?」
いまだ、からかわれるが、俺の気持ちも晴れやかだ。
これで、先生と生徒という壁が一つ崩れた。
「松浦、よかったな。美佳も喜んでいたぞ」
「そうッスか!ありがとうございます」
「所詮、松浦は、俺を越えられないって冗談で美佳に言ったら、こっぴどく怒られたよ」
「ハハハ。もしかして、尻に敷かれてるッスか?」
今はこうして、笑っていられるけれど、二人が、俺のことをずっと気にしてくれていたことに気づかない程馬鹿じゃない。
山城先生が、言ってた。
俺が実習にきてから、愛妻弁当じゃなくなったって。
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