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いつもは、彼女から話し出して、会話が続くのに、やはり、今日で終わりということで、彼女は静かだ。
と、思ったのは、最初だけだった。
俺に、どう切り出そうか悩んでいたらしい。
「あの……何を、皆にもらったの?」
彼女の視線の先には、山城先生がくれたこれまた大きすぎる紙袋。
そこに、女子生徒からもらったものが溢れんばかりに詰め込まれている。
「見ての通り、開けてないから知らない。それより、……嫉妬?」
「ち、違う!」
「じゃあ、何?」
「…………」
「何?」
少し強めの言葉で聞き返すと、彼女は、ビクッと、体を強張らせた。
いつもと違うのは、俺だ。
彼女を恐がらせたいわけじゃないのに。
抱きしめたいと思っていたはずなのに。
「ふ、不安なの」
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