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「でもね、春香ちゃん。覚悟しておいて!」
「……?」
「会ってない何年もの春香ちゃんを知ったら、何があっても、君を誰かに譲る気がないから」
驚愕して固まる彼女に向かって、さらに言葉を繋げた。
「たとえ、こんな年上が嫌だとか、もっと好きな奴が出来たとか言われても、俺に、今以上に惚れさせるから」
それくらい君に惹かれているんだから、自信持って!
「春香ちゃん、手。手、出して!」
俺が言うと、まるで、犬が飼い主にお手をするように手を出した。
「反対。掌を上に向けて」
「うん」
不思議がりながらも、従順な彼女。
掌を上にして、俺を見た。
俺は、カバンの中から、小さな袋を取り出して、それを彼女の掌の上に置いた。
「開けてみて」
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