1397人が本棚に入れています
本棚に追加
春香ちゃんのキラキラとした目を見たら、それが間違いじゃなかったとホッとした。
「これ、作ってくれたの?」
「どうよ?俺の手製のお守りは」
「え?これ、お守りなの?置物じゃなくて?」
「は?置物だぞ。置物のお守り。シーサーみたいなもんだ」
「あッ。そっか。成る程ね」
ニコニコとしながら、納得しちゃうから可愛すぎる。
神社に落ちていた石。その石に、二人で見た満月を書き込んだ。
そして、それを家が石材店という大学のツレに、周りを囲ってもらって置物にした。
片手に乗るほどのちいさなものだけど、春香ちゃんと俺を繋ぐ大事なもの。
「これ、ここの神社の石。勝手にもらったから、逆に怒りを買うかもしれないけど、どうする?」
「大丈夫。今から、謝りに行くから」
彼女は、俺に微笑みかけると、神社の裏にまわった。
最初のコメントを投稿しよう!