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だから、春香ちゃんがまあまあと言う時は、医学的に、悪くはないが、むくみがひどかったり、起き上がるのがしんどい時ということ。
「そうか。無理しちゃだめだよ」
と、付け加えることが多い。
今日も同じように。
「春香ちゃん、俺、ちゃんと教師になれたから」
「うわぁ、おめでとう!お祝いしなくっちゃ!」
「サンキュ」
純粋に喜んでくれて、弾む彼女の声とは対照的に、少し元気のない俺の声。
隠していたって、いずれ俺が、学校に出勤すれば、ばれるわけだから……。
「春香ちゃん」
「うん、何?」
「俺と春香ちゃん、また教師と生徒」
「…………え!?」
「うん。正式に、教え子になっちゃったわけだ」
ハハハと軽い笑いを漏らせば、彼女の長い沈黙が俺を不安にさせた。
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