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「あの……、それは、私の学校の先生ってこと?」
どうやら、理解するのに少し時間を要したらしい。
「うん、そういう事だね」
「そっか。初恋の壁は、厚いなぁ」
そう言いながらもクスクスと笑う彼女は、電話越しだが、喜んでくれているようだ。
「よろしくね、松浦先生」
「ウワッ、何かそれ、くすぐったい」
「フフフ、じゃあ秀也先生!四月からよろしくお願いします」
「任せとけ!」
偉そうに言っても、所詮、一年目。
担任はおろか副担任になるのも容易ではない。
せめて、彼女が目につく位置にうっかりでもいいから、入り込みたい。
「春香ちゃん、ごめんな。卒業したら、ちゃんとしようと思っていたのに。何も相談せずに決めて」
「えッ?謝る必要なくない?私、本当に嬉しいし」
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