再々会

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純粋に、人を好きになって。 そこに、気持ちが溢れていて。 他人より、私の方が……っていう強情や我が儘がない。 それに、何より、生きる喜びに満ちていて、綺麗だ。 そんな彼女だから、少しくらい甘えさせてあげたかったのに。 「春香ちゃん!」 「うん、なあに?」 「デートしよう!」 「……え?わ、私と!?」 「当然。赴任するまでに、一度、ちゃんと会いたいし。いい?」 電話の向こうで、プチパニックに彼女は陥っていた。 何やら、独り言をブツブツと言っていて、俺と電話しているのを忘れているようでかわいい。 実習以来、電話をしていても、結局、会うことがなかった俺達。 半年の間に、また少し、女性らしくなっただろうか? 顔色は、やっぱり血色が悪いままなんだろうか?
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