再々会

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空いていた端の席に座り、諭すように答えた。 「そうなんだ。やっぱ、先生って詳しいんだ」 いやいやいや、先生じゃなくても、誰でも気づくし。 つうか、ここで先生とか呼ばれると、ヤベー。 背徳感と、緊張感。それから、扇情的で……。 これらがミックスされて、なんとも形容し難い。 そんな気持ちを見破られないように、 「飲み物買ってくる。何がいい?」 と、言ったのだが、悲しそうに首を横に振られた。 「遠慮するなって」 「違うの」 立ち上がり、買いに行きかけた俺は、彼女の様子が気になり、再び、腰を下ろした。 「どうした?」 「あのね」 「うん」 「水分あんまりとったらいけないの」 「…………悪い」 空気が、ずしりと重くなった。
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