再会

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「まさか、あの秀也くんが教師になりたいなんて、びっくりしたわ」 「そうですか?」 「だって、桜井先生に、彼女とられたじゃない!先生が嫌いかと……ねッ!」 意味深にウィンクなんかしてくる山城先生は、俺から見たらあの頃と変わらない扱いにくい教師に見える。 「俺が唯一、他人に負けたと認めた相手が桜井先生。それを越えたいじゃないですか。まあ、体育じゃないのは、嫉妬してるのかもしれませんね」 本当は、そんなことはない。ただ、そう言っておいた方が、単純な山城先生にはいい。 「成る程ね。じゃ、今日からビシバシしごくから」 嬉しそうな笑みを浮かべた山城先生に、苦笑を返した。 それから、朝礼にて実習生として挨拶に立ち、山城先生について、担任だという、二年のクラスに向かった。
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