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「あ。ごめん。何だった?」
「ショー終わっちゃいましたよ」
周りが一斉に席を立ち上がって、移動を始めた。
「うん。だけど、もう少し此処にいよう」
人込みを避けた方が、いいのじゃないかという俺の考えは、すぐに、彼女にばれた。
「だから、イヤなんです。そうやって、私のこと優先にしちゃうから」
「うん。でも、俺が、今、最後に出ようと思ったのはそれもあるけど、それよりも……」
頬に軽くキスをした。
「キャッ」
「ハハ。カレシにその反応はキツイなぁ」
「びっくり……したから」
顔だけじゃなく、首も耳も真っ赤になっている彼女は、とても初々しくて、可愛くて。
もっと、俺色に染めてやりたい。
「さっ、行こうか」
差し出した手を、彼女は、恥ずかしそうに俯いて繋いだ。
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