会長と親衛隊

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「潤様達何をなさっているのですか?」 びくっ 「な、いきなり現れないで下さい。びっくりするじゃないですか!!」 「あぁ、申し訳ございません。何度もノックしたのですが、返事が返って来なかったもので、潤様に何かあったのかと入ってみたら、よって集って潤様を襲っているところを目撃してしまい、いくら生徒会の人間で有ろうと、潤様の親衛隊部長のこの私が、見過ごす訳には参りませんので、声をかけさせて頂いた所存で御座います。」 この、九条と張り合えるくらいのマシンガントークの持ち主は、俺様の親衛隊部長の(嶋井 学)だ。俺様の変装は、学ちゃんを意識して真似してみた。 『む、学ちゃんではないか。何か用か?』 「潤様。昨日の食堂での出来事を親衛隊員に聞きまして、僭越(せんえつ)乍ら心配して来てしまいました。」 『そうか。態々すまんな、俺様、元気だから心配いらないぞ。』 「そのようで。…ですが、少し目元が赤くなっていますね。もしかして、彼処にいる人達に泣かされのですか?」 学は心配そうに、潤の目元に手を宛がった。 『いや、少し欠伸しただけだ。』 「…それは良かった。」 そういうと、学は潤の顔をなで回すよう触り始めた。 『学ちゃん、くすぐったいぞ。』 「…潤様のほっぺ柔らかいですね。」 『うむ、当たり前だろ。俺様なんだから。と言うか、スルーするな、くすぐったいと言っているだろう』 危なかった。危うくはぐらかされる所だった。 学ちゃん俺様のプニプニほっぺを触り続けている。 止めさせなくては。 『学ちゃん、俺様の事心配してくれたのは、嬉しいがそろそろ帰った方がいいんじゃないか?ほら、その、いろいろ親衛隊とか大変だろ?』 「親衛隊の事でしたら、潤様が、気にする事は無いので、大丈夫ですよ。」 む。遠回しに言っても、学ちゃんには通用しないようだ。ここは、素直に言うしかないな。 『そうか。あの、だな。いい加減俺様のほっぺをムニムニするのは、止めてくれかない?』 「あぁ、そう言えば潤様に、渡したい物があるのですが。」 学ちゃんは、思い出したかのように、俺様のほっぺから手を離すと、大きめの箱を俺様の前に置いた。 「潤様の昨日の出来事を聞いて、きっと悲しまれているかと思いまして…。宜しければ、箱開けてみて下さい。」
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