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どうしよう、学ちゃんに嫌われた…。
それだけが、俺様の頭に繰り返し流れていく。
そんな時、ふと、懐かしい温もりを感じた。
とても温かく、安心出来る温もり。
何時の間にか、震えがおさまり、体に体温が戻っていた。
…そう言えば、前にもどうしていいか分からなくて、怖くてしかた無かった時。こうして、抱きしめてくれたな、と思い出す。
まぁ、俺もあの時よりは、成長したから、多少の事では同じなくなったつもりだったんだが…。
「――――潤っ!!」
『うおっ!!ど、どうした学ちゃん。』
俺様が少しばかり昔の事を思い出していたら、近くで大声で呼ばれて現実へと引き戻された。
「どうしたは、此方の台詞です。何度も、呼び掛けても、全く反応しないので焦りましたよ。」
学ちゃんは、ほっとした顔で、俺様の顔を覗きこんでした。
『いや…すまん。少し、学ちゃんと出会った頃を思い出してな。』
「・ ・ ・ ・ 。」
『…そう、険しい顔をするな。俺様は、もう大丈夫だ。…それに、今は学ちゃんもいるし生徒会の皆や他にも沢山の人達とも仲良くなったのだ。俺様、昔とは違う。』
学ちゃんは何とも言えない顔で俺様を強く抱きしめてくる。
「私は、何が有ろうと潤様の親友ですし、味方です。」
『あぁ、俺様もだ。』
―――ん?そう言えば、まだ、学ちゃんと仲直りしていなくないか?
俺様は、今頃になって本来の目的?を思いだした。
『…あー、そのだな、学ちゃん先ほどの事なのだが』
「クスッ。もう気にしていませんよ。私の方こそ、少しおとなげなかったですね。すみません」
『ぁ、う。あの、俺様の方こそ悪かった。』
俺様は、学ちゃんと仲直り出来たのだと分かったとたん力が抜け学ちゃんの胸にもたれ掛かるようになった。
と言うか、さっきからずっと抱きしめられているのだが。別に学ちゃんなら良いかと俺様は、そのまま胸に寄っ掛かる事にした。
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