会長と親衛隊

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「ごほん。」 しばらく、学ちゃんに抱きしめられながらボーとしていると、九条が咳をしはじめた。 『九条風邪でもひいたのか?』 今月は、新入生歓迎会があるから九条に風邪をひかれてしまっては困るのだが…。 俺様は、学ちゃんから離れて、九条の近くに行くと九条と俺様のおでこをくっつけた。 「なっ!?」 『…うむ。少し熱いな。やはり風邪ひいてるでわないか。』 俺様に隠し事何か、1000年早いんだよ。 「びっくりしたぁ。潤ちゃんいきなり副会長に顔近ずけるから、ちゅーでもしちゃうのかと思ったよぉ!!」 『は?何言ってんだ。ちゅーは、恋人同士がするものだろ』 …九条の奴やはり体調が悪いのだろうか、間抜けな顔をして動かないのだが。 「…うる。」 『む。どうした?』 「熱。…確める。」 犬兎は俺様を見上げながら自分のおでこに掛かっている髪を上げた。 『…あぁ、お前も熱があるか確めて欲しいのだな。』 俺様は犬兎のおでこと自分のおでこをくっつけた。 うむ。 『熱は無いようだが。』 「ん。…ありがと」 「ねぇ、潤ちゃんオレもぉ。熱あるか計ってぇ!!」 充緒は、速くっ!!と急かしながらおでこを出している。 俺様は溜め息をつくと充緒にちかずいた。 そして 「っ!?ふぇ?ちょっと、潤ちゃん酷いー!!なんで、いきなりデコピンするのさぁ。」 充緒は、少し赤くなったおでこを押さえながら、頬を膨らませた。 『…はぁ。お前な、誰がどうみても元気じゃねぇか。』 「むう。痛い…。」 そう言うと充緒は、うつ向いてしまった。 少しやり過ぎてしまっただろうか。 ここは、謝らなくてはいけないところだろうか。 『…充緒。』 「なにさぁ。オレだけデコピンとか酷いよぉ。」 『充緒。頼むから、顔をあげてくれ。』 「 ・ ・ ・ 。」 充緒は頬を膨らませたまま顔をあげた。 『あぁ、おでこ赤くなってしまったな。』 「…ふん。別にいいもん。別に気にして…な、――ふぇ?」
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