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カタカタ。カタッ。
ユウはモニタールームに一人でパソコンに向っていた。
今日の仕事は出会い系サイトの書き込みを監視して、被害者になりそうな人や、加害者になりそうな奴を探す事だ。
男ばかりが加害者とは限らない。
未成年の少女が“関係をもたせてあげる”と男をおびき寄せて、彼氏や仲間の男たちに襲わせて金を奪う事件が多発していた。
被害者の男は家庭もちが多く、未成年だと知ってて買春しようとしたとは警察には言えず、泣き寝入りするしかなかった。
ユウは書き込みをぼぉ~っとひたすら眺めていた。
『私は中学二年生です。経験人数50人って普通ですよね?あ○○にもア○○にも拳入ります。同時に相手した人数の最高記録は8人です。彼氏募集中です』
はぁ~とため息をついた。
「くだらない」
もちろん小学生の書き込みもある。
本当に出会いを求めているなら、ここを探しても無駄な様な気がするが・・・。
『昨日、またされちゃいました。警察には言いません。これで20人目です。やっぱり男の人ってそれが目的なんでしょうか?』
だめだ。やってられない。
きりがないよ、これじゃあ。
他にも双子の兄妹で毎晩しているとか、『私には彼氏います。弟にも彼女いるの知っているけど、毎晩弟を受け止めちゃいます』とか、ひどいやつになると、「母と息子、父と娘4人で乱交しちゃいました」だ。
前にティアラに叫んだセリフだが、いったい誰が世の中をこんな風にしてしまったのだろう?
ユウは監視をマザーコンピュータに任せて、しばし瞑想した…。
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