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「おっせーな」
「ちょっと。逃げたんじゃないの?」
「まじムカつく~。ねぇ、あんたたちち、逃げてたら明日帰り道で襲ってよ!」
その時。
ドバーンッ!!!
体育館の非常階段のドアが吹き飛んで飛んできた。
煙の上がる非常階段のドアの中にスーツを着た一人の少年が立っていた。
外からの風が吹き抜け、煙が消えてゆく…。
少年の長い髪が風に揺れた。
少年は中指でくっと眼鏡を上げると、今自分が吹き飛ばしたドアの残骸を踏みつぶして歩いてきた。
男子生徒の一人が言った。
「うわっ!?」
その少年-《テレス》が答えて言った。
「TAGUiだよ」
一瞬の静寂。
だがすぐに笑いながら一人の生徒が言った。
「おいおい。今はやりのTAGUiさんのご登場かよ~」
他の生徒も続く。
「すげー。俺たちテレビ出られるんでない?」
「てかなんでスーツ着てるの?意味わかんなーい」
「TAGUiって何?」
それをきいてテレスも笑った。
「ニュースもみねぇのか。そりゃみねぇよな」
「ムカつくぅ~」
女子生徒が冗談っぽく言った。
「陽子さんなら来ないよ」
テレスがあっさり言った。
「は?なんなのアイツ。まじむかつく」
女子生徒がロッカーを蹴った。
そして男子生徒が思い出した様にテレスに言った。
「あんた、それだけゆうためにきたわけじゃないしょ?」
「あたりまえだろ」
テレスがにやけながら答えた。
「てかぁあんた犯罪者なんでしょ?指名手配とかされてんじゃない?懸賞金とかでんのかなぁ」
陽子の部活の先輩たちが言い始めた。
「ああ、でるかもね」
「まじー?!」
「いくらぐらいでんだろぉう」
そんな中ひとりの女性とがテレスにきいた。
「もしかして、人とか殺したことある?」
「あっ!それあたしも知りたいかも~」
しきっていた女が言った。
「人間殺すのってどんな感じなんだろうねー」
「ねぇねぇ女犯したこともある?」
テレスが答えないうちに男の一人が手を上げて立ち上がった。
「はい!俺あります!」
どっと笑いがおこった。
「ちょとぉ、バカぁ」
「タグイさん。こいつ殺していいよ~」
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