⑦誘~ユウワク~惑

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「おっせーな」 「ちょっと。逃げたんじゃないの?」 「まじムカつく~。ねぇ、あんたたちち、逃げてたら明日帰り道で襲ってよ!」 その時。 ドバーンッ!!! 体育館の非常階段のドアが吹き飛んで飛んできた。 煙の上がる非常階段のドアの中にスーツを着た一人の少年が立っていた。 外からの風が吹き抜け、煙が消えてゆく…。 少年の長い髪が風に揺れた。 少年は中指でくっと眼鏡を上げると、今自分が吹き飛ばしたドアの残骸を踏みつぶして歩いてきた。 男子生徒の一人が言った。 「うわっ!?」 その少年-《テレス》が答えて言った。 「TAGUiだよ」 一瞬の静寂。 だがすぐに笑いながら一人の生徒が言った。 「おいおい。今はやりのTAGUiさんのご登場かよ~」 他の生徒も続く。 「すげー。俺たちテレビ出られるんでない?」 「てかなんでスーツ着てるの?意味わかんなーい」 「TAGUiって何?」 それをきいてテレスも笑った。 「ニュースもみねぇのか。そりゃみねぇよな」 「ムカつくぅ~」 女子生徒が冗談っぽく言った。 「陽子さんなら来ないよ」 テレスがあっさり言った。 「は?なんなのアイツ。まじむかつく」 女子生徒がロッカーを蹴った。 そして男子生徒が思い出した様にテレスに言った。 「あんた、それだけゆうためにきたわけじゃないしょ?」 「あたりまえだろ」 テレスがにやけながら答えた。 「てかぁあんた犯罪者なんでしょ?指名手配とかされてんじゃない?懸賞金とかでんのかなぁ」 陽子の部活の先輩たちが言い始めた。 「ああ、でるかもね」 「まじー?!」 「いくらぐらいでんだろぉう」 そんな中ひとりの女性とがテレスにきいた。 「もしかして、人とか殺したことある?」 「あっ!それあたしも知りたいかも~」 しきっていた女が言った。 「人間殺すのってどんな感じなんだろうねー」 「ねぇねぇ女犯したこともある?」 テレスが答えないうちに男の一人が手を上げて立ち上がった。 「はい!俺あります!」 どっと笑いがおこった。 「ちょとぉ、バカぁ」 「タグイさん。こいつ殺していいよ~」
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