第1話

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__予鈴まで二十分残しで着いてしまった。 なのに急ぎ過ぎて顔中が汗だらけだ。 ちょっと待て、赤信号にひっかかるとこが少なかったぞ!? ゆるいようでハードだった。このルールの改正をさっそく要求しよう。 というか、いつもなら駆けっこ部の誰かに遭遇するのに。 「……いやな予感がするな」 俺が不安げにつぶやくことはよく的中してしまうのだ。 学校の昇降口では生徒の人だかりがあった。 掲示板なる大きな白地の紙に、クラスと番号で割り振った枠内に名前が載っている。 進級した二年のみクラス替えがあるので、俺もこれを見て二年の新しい教室に向かわなければならない。 「きゃぁぁああ」とか「うわぁぁああ」と喜と哀にわかれた声が響く。 そんなにクラス替えが大事なのかな。まあいやな連中と一緒なのが受験のある三年まで続くわけだし、いろいろ考えることあるよな。 そんなことを思いながら自分の名前を探していた。 …………ない。あれ、俺の名前がミツカラナイヨ?
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