8人が本棚に入れています
本棚に追加
__予鈴まで二十分残しで着いてしまった。
なのに急ぎ過ぎて顔中が汗だらけだ。
ちょっと待て、赤信号にひっかかるとこが少なかったぞ!?
ゆるいようでハードだった。このルールの改正をさっそく要求しよう。
というか、いつもなら駆けっこ部の誰かに遭遇するのに。
「……いやな予感がするな」
俺が不安げにつぶやくことはよく的中してしまうのだ。
学校の昇降口では生徒の人だかりがあった。
掲示板なる大きな白地の紙に、クラスと番号で割り振った枠内に名前が載っている。
進級した二年のみクラス替えがあるので、俺もこれを見て二年の新しい教室に向かわなければならない。
「きゃぁぁああ」とか「うわぁぁああ」と喜と哀にわかれた声が響く。
そんなにクラス替えが大事なのかな。まあいやな連中と一緒なのが受験のある三年まで続くわけだし、いろいろ考えることあるよな。
そんなことを思いながら自分の名前を探していた。
…………ない。あれ、俺の名前がミツカラナイヨ?
最初のコメントを投稿しよう!