第1話

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体育館の扉に着くと、支田先生が俺に開けるのを譲るように一歩下がった。 俺はゆっくりと扉を開けた。 「うぉおおそぉぉおおいいいぃぃっ!!」 太鼓を鳴らすのに似た大声が体育館に響いた。 「遅い」と言いたいんだろう。うるさくてなに言ってるかわかりづらい。 壇上に立つ女生徒は、腕組みをして奇妙に熱を帯びた瞳をしていた。肩まであるショートヘアがぶわっと広がった雰囲気さえした。運動系の部活さえしてないのに、よく走るせいか足腰のプロポーションは細く鍛えられてる。それが高校生まで成長して、見た目はもっと輝きを増した。 太陽のようとかひまわりのようとか、象徴するものを並べて等しいような元気で明るい少女が俺の幼なじみだ。 駆けっこ部の『駆け込み部長』こと春野うららである。
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