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面倒臭ぇ、というのが俺の正直な感想だった。
そもそもの一連の流れを説明する。
俺は、情報屋に教えられた通り、シルキーをより詳しく知るであろう連中がいる倉庫に行った。
すると、その倉庫には盗品を山分けしているセコい怪盗団がいた。
誰だ、お前は、と最初に聞かれた。
俺は、その質問を無視し、怪盗シルキーを捜してる、と言った。
するとヤツらは、お前も怪盗か、と息を荒げた。
俺はこともあろうに、そうだ、と言ってしまった。
ここから、話の流れがヤツら流になってしまった。
「それなら、今から怪盗勝負をしようじゃないか」
「怪盗勝負だ?」
「ビーナスの心臓をオレより先に持ってこい。オレたちに勝てたら、シルキーの情報をやる」
「おい、ちょっと待て…」
「用意、--ドン」
こうして、俺と怪盗団(後から知ったのだか、ヤツらは統幕団というらしい)のリーダーとの対決が始まった。
ちなみに俺は、ビーナスの心臓を全く知らない。
物自体は知らないが、分かっていることが一つだけある。
それは、俺が寝ていようと、統幕団のリーダーが必ずビーナスの心臓を持ってくることだ。
それさえ分かっていれば、俺のやることは一つしかない。
俺は昼寝(といっても、今は夜だが)をすることにした。
幸運にも倉庫の屋根は緩やかな円弧型で寝やすかった。
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