プロローグ:日常が非日常へ

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 その日は、雨が降っていた。 ここ最近、全く雨が降っていなかった事も関係あるのだろうか? いつになく、激しい雨が降っていた。  そんな雨の中、僕は、朝から大学へ向かっていた。 いつものように、 いつも通る道のりを辿り、 いつもの景色を見ながら。  ただ、今日は雨なので、街が見せる姿は少し違っていた。 ビルも、民家も、その庭にある草花も、空さえも、目に見えるもの全てが少し寂しげに見えた。  道路に出来た水溜りは、僕の行く道を遮ろうとしているかのようにも見えた。  今思い返せば、あの雨は僕を大学に行かせないようにと、神様が降らせたものだったのかもしれない。  僕が行かなければ、あんな事も起こらなかったのかもしれない。
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