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時刻は夜の22時を少しまわった頃。ここはイギリスのとある街。
妙に都会すぎず妙に田舎すぎない、生活するにはもってこいであろう静かな街だ。
寒さのせいもあるのか、空気がピンと張り詰めているかのようで周囲の静けさをさらに掻き立てている。
辺りはすでに夜の闇が支配し、目に見える灯りといえばポツリポツリと、等間隔に並ぶ街頭と、通りの少し先にあるパブらしき店の看板。
それら一帯をうっすらと雲がかかったきれいな満月がぼんやりと照らしている。
そんな場所に建つ、倉庫であったろう建物を今風のコジャレた感じに改装した建築物が二つ、なんとも言えない雰囲気を放ちドンと並んでいて、その倉庫であったろう建物の一室の扉の前にぼくは今立ち尽くしていた。
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