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それを聞くとその男が団長を呼び出す。 「君、この子を私に譲ってくれないか?」 おいらはこの言葉に驚きを隠せない。 「はあ?知らんかもしれないがこのサーカス一番の稼ぎてを渡すわけがないだろう」 団長は訳が分からないと言った顔で言う。 「だがこんな悪い環境下で子供を育てるのは違法だ」 「そんな事私の勝手だろう」 団長は怒った口調になる。 「では君がこの子の親だとでもいうのか?」 「ああそうだ」 そこで男が笑みを浮かべたのをおいらは見逃さなかった。 「君、この人は君の父親かい?」 おいらにそう聞いてきた。 おいらは 「いんや、団長さんは団長さんだ」 そう答える。
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