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エルザは断片的に話を結びつけ意味を理解する。 「いや、処罰は受けなくてもいいよ。……あっ、それならわかりやすい言葉でこれから話して。」 おいらはお嬢様にそう言われ、理由はわからないが指示通りにしようと考える。 「畏まりました。以後お嬢様の指示通り言葉を選択することに努めます。」 エルザは溜め息をついて自宅まで真っ直ぐのびる帰路を見つめる。 そして召使いは領主の1人娘のお嬢様は周囲からの期待の目に応えようと学業に日々力を注いでおり、その非の打ち所もない容姿に成績優秀、それに加え慈愛に満ちた性格。 そのような容姿端麗と才女からなる才色兼備に飾り気が無く謙虚な性格で、貴族からの縁談が数多く来るくらいだ。 色々と周りから僻まれたり妬まれたりと周囲の目を気にして行動は制限されたり縁談相手で心労が絶えないのだろう。 そう考え、エルザが話がわかる同年代かつ羽目を外して接しても外に漏洩する可能性の無い唯一の存在とは夢にも思わないのであった。 つくづく馬があわないのだった。
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