2/10
62人が本棚に入れています
本棚に追加
/230ページ
アルカディア国南 花が咲き乱れ芳しい香りが立ちこめる花の町イトリア そこでは盛大な祝宴が催されようとしていた。 アルカディアではかなり有名なイトリア近辺の領主夫婦の間に天から子供を授かったのだ。 その夫婦は若い頃は有能魔法使い夫婦と噂され、イトリアでは評判は良く、齢二十五でイトリア領主に当選したたいへん優秀な魔法使い夫婦だ。 その夫婦はイトリア領主になるとイトリア近辺地域奴隷撤廃、領地圏内税廃止といった法を公表し多くの町民及び地域住民の好感を抱かれ支持を得ていた。 人柄も良く、才能もあり、町民に愛されていたがこの夫婦には一つ問題があった。 子供だ。 三十を越えてもまだ子供ができず困り、町民も自慢の領主の跡取りができないのを心配していた。 しかし三十を過ぎ数年の月日が流れ遂に子供を授かったのだ。
/230ページ

最初のコメントを投稿しよう!