序章(プロローグ)

2/2
11人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
はるか千年のも昔…… 世の中には八百万もの魔物で溢れかえっていた。 人間は、その恐怖に怯え、逃げ惑うばかりだった。 人の世に終わりが近づいていた…     だが、人々を救ったのは、一人の古代人形と十二人の獣人だった。 しかし、魔物達も負けてなかった。魔物達は、結束して一つの大きな闇になった。呪い、妬み、憎しみ、そしてたくさんの怒りが闇を深く深くしていった。 闇は獣人を次々に打ち倒し、残るは闇と古代人形のみだった。     古代人形は、人形にして心を持ち、獣人の滅んだコトに深く心を痛めた。 その悲しみに付け込んで闇は最後の希望を断ち切ろうとした。 しかし彼女を救ったのは、彼女の愛騎の龍だった。龍は、羽根を広げ、角を振りかざし、闇を討ち取った。     たくさんの魔物達カラ世界を守った彼女を人間は、好意を持って迎えたが彼女は、それを拒み、十二人の獣人の御霊と愛騎、そして自分自身を封印した。彼女にとってこの世界は、悲しみでしかなかった。     彼女は深い眠りにつく前に最も親しかった人間に言った「もし、あなたの一族に双眼が揃わない子が生まれたら、何があっても守りなさい。そのトキが来たら、十二人の魂を解放し、この子達の血を継ぐ子孫達が力を貸すようにするカラ」と。彼女はそして深い眠りに着いた……     千年後、その双眼が揃わないさだめを持つ子が生まれるコトを彼女はまだ知らない。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!