まさしく王道

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相楽くんの後に入ってきた双子は見分けつかないくらいそっくりで、身長は僕より少し低くて整っているけどどちらかと言うと可愛いらしい顔立ち。 兄の方が姫井真緒(ヒメイマオ)で弟の方が真矢(マヤ) 2人共書記をしている。 『随分遅かったね』 ファイルに目を通しながら言うと双子が慌てて僕の前まで来た。 「「だって聞いてよぉ~。さっちゃんがさぁ~」」 「だって仕方ないっしょ~?あんな可愛い子が具合悪そーに寄りかかってきたから抱きしめてただけじゃ~ん」 「「抱きしめるだけじゃなくて口説いてたじゃん」」 「声かけてただけだしぃ~」 「「うっそだぁ~」」 煩いなぁ~。 『騒ぐなら外でやってね』 僕は小さく溜め息をつきながら残りの仕事を終わらせた。 仕事が終わってファイルを閉じるとタイミング良く颯真くんが珈琲を淹れて僕の机の上にそっと置いてくれた。 『颯真くんありがとぉ~』 「ん…」 颯真くんもさっきまで座っていたソファーに座って自分の分の珈琲を飲み始めた。 しばらくすると。 ガチャ。 静かに扉が開いて左頬を真っ赤に腫らした神谷くんが上機嫌で入ってきた。 「「うわっ!ほっぺ真っ赤っか。どーしたの?」」 「あらら。何々、殴られちゃったのぉ~?」 「喧しいですよ。その口縫いつけてやりましょうか?」
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