第二章 始まり

1/13
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ

第二章 始まり

あなたと出会ったのは、 桜が咲く春の日でした。 真新しい制服に身を包み急いで靴をはく。 『いってきまーす。』 「行ってらっしゃーい。」 あたしの名前は雨宮ひかり。 今日から念願の高校生。 新品のスクールバッグを自転車のカゴに詰め、 ペダルを大きくこぎ始めた。 春といってもまだ少し寒い。 家の近くの公園の桜の木はまだ蕾のものもある。 自転車を止め、桜の木越しに空を見上げる。 “今日もいい天気だ” そんなことを思っていると、桜の花びらがあたしの手に舞い降りた。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!